信州山形村 小坂諏訪神社祭青年会
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〜〜〜 国譲りの神話 〜〜〜
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平成4年度
に小坂各戸に配布された氏子のしおりに掲載されている昔話『国譲りの神話』です。
小坂諏訪神社に祀られている
三柱
みはしら
の神様にまつわるお話です。
人間十人十色と言いますが、神様も様々な性格を持っているようです。
それでは『国譲りの神話』をお楽しみ下さい。
★★ 『国譲りの神話』 ★★
小坂諏訪神社の祭神を知っていますか。
健南方富命
たてみなかたとみのみこと
(
建御名方
たてみなかた
の命)
大巳貴命
おおなむちのみこと
(
大国主
おおくにぬし
の命)
事代主命
ことしろぬしのみこと
建御名方
たてみなかた
の命と兄の
事代主
ことしろぬし
命、その父
大国主
おおくにぬし
の命の合わせて三神が、神社のおくの拝殿のそのまたおくの本殿に祀られています。
このお話は、古くからの書物によって伝えられてきた、この三柱の神様にまつわるお話です。
むかし、むかし、まだ神様たちが世の中をいっしょうけんめいこしらえている頃のお話。
高天
たかあま
の
原
はら
(天上界)から「
葦原
あしはら
の
中
なか
つ
国
くに
」(下界)へ天降った神様たちは、 いくつもの島を生み、大勢の神々を生み、地をおさめ、
海をおさめて国造りに励んでいました。
ある時、
天照大御神
あまてらすおおみかみ
は、我が子である
天
あめ
の
忍穂耳
おしほみみ
の
命
みこと
をよんで言いました。
「今、
大国主
おおくにぬし
の神が治めている
葦原
あしはら
の
中
なか
つ
国
くに
は本来、私の子孫が治めるべき国です。あなたが行って国の主になりなさい。」
早速、
天
あめ
の
忍穂耳
おしほみみ
の
命
みこと
は、天上界と下界をつなぐ
天
あめ
の
浮橋
うきはし
をかけおりて、
葦原
あしはら
の
中
なか
つ
国
くに
の様子を見に行きました。
しかし、この国は騒々しくて、荒々しい土着の神々が大勢いて簡単に治まりそうにありません。
そこで命は天上界に帰って
天照大御神
あまてらすおおみかみ
に相談しました。
大御神は天の神々を集め、下界に使者として
天
あめ
の
忍穂耳
おしほみみ
の
命
みこと
の弟、
天
あめ
の
菩比
ほひ
の神を送って説得させることを決めました。
天
あめ
の
菩比
ほひ
の神が下界に下って三年が経ちました。
しかし、菩比の神は、いつまでたっても帰ってきません。
天照大御神
あまてらすおおみかみ
は待ち切れずに二番目の使者を送ることにしました。
天
あめ
の
若日子
わかひこ
です。
大御神から、見事なシカを射止める弓と大蛇を射殺す矢を授かった若日子は勇んで下界に降りていきました。
しかし…出発してから八年が経つというのに
天
あめ
の
若日子
わかひこ
も帰ってきません。
どうやら二人とも
大国主
おおくにぬし
の神の手厚い接待をうけて居心地の良い下界にすっかり居座ってしまったようです。
二度の失敗に困り果てた
天照大御神
あまてらすおおみかみ
は三度目に
建御雷之男
たけみかづちのお
の神と
天
あめ
の
鳥船
とりふね
の神の二人をつかわしました。
「
大国主
おおくにぬし
の神よ、私たちがやってきた訳は良く分かっていますね。今までの使者はうまくまるめ込めても我々はそうはいきませんよ。
天照大御神
あまてらすおおみかみ
の仰せであなたの意向をたずねに来ました。大御神は、この国はご自分の子孫が治めるべき国だと仰せです。考えはどうですか。?」
大国主
おおくにぬし
の神は言いました。
「私はもう年をとりすぎていますので、一存ではお答えできません。息子たちに答えさせたいと思います。」
こうして大国主の神の子供の
事代主
ことしろぬし
の神と
建御名方
たてみなかた
の神が呼ばれました。
「
天照大御神
あまてらすおおみかみ
の仰せとは恐れ多いことです。喜んでこの国を献上いたしましょう。」
事代主
ことしろぬし
の神はそう答えました。
しかし、一方の
建御名方
たてみなかた
の神はこれに反対し、
建御雷之男
たけみかづちのお
の神に勝負を挑みました。
その結果、
建御名方
たてみなかた
の神はこれに敗れ、
信濃
しなの
の国の諏訪湖に逃れてしまいました。
「参りました。私はもうこの諏訪からは一歩も出ません。兄の言うとおり、この国は
天照大御神
あまてらすおおみかみ
の
御子
みこ
に献上いたします。」
「私も息子たちの申すことに異存はございません。この国は献上いたしましょう。ただひとつお願いがございます。地の底まで届くような柱をたてて、
天上にまで届くほどに屋根を高くかかげた御殿を私のために建てていただきたいのです。そうすれば私は永久にそこに身を隠しておりましょう。」
大国主
おおくにぬし
の神は、
建御雷之男
たけみかづちのお
の神にそうお願いして
葦原
あしはら
の
中
なか
つ
国
くに
を譲り渡したのです。
この時に建てた御殿が
出雲
いずも
大社
です。
そして、大国主の神の二人の子供は、事代主の神が
美保神社
(島根県)、建御名方の神が
諏訪大社
にそれぞれ祭神として鎮座しています。
終
※小坂諏訪神社は、今からおよそ四百年前、この諏訪大社上社より分霊して、小坂村の鎮守としてこの三柱の神様を祀るようになったということです。
★★ 昔話 ★★
◆掲載資料◆
平成2年度
氏子のしおりより、翁の昔話『小坂の大火』
平成3年度
氏子のしおりより、創作民話『雨乞いと唐猫』
平成4年度
氏子のしおりより、『国譲りの神話』
平成6年度
氏子のしおりより、神々の話『大国主命と因幡の白うさぎ』
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